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国立新美術館
国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2


〜未来を担う美術家たち〜

DOMANI 国立新美術館
<文化庁芸術家在外研修の成果>

会期: 2009 12/12(土)〜2010 1/24(日) 展覧会は終了しました。
休館日:毎週火曜日、年末年始 [2009 12/22(火)〜2010 1/5(火)]
開館時間:10:00〜18:00、毎週金曜日10:00〜20:00(入場は閉館の30分前まで)
会場:
国立新美術館 企画展示室2E


本展を通して、美術界の明日を担う作家達の多彩な表現に親しんでいただければ幸いです、
 「DOMANI (ドマーニ)・明日展」は、文化庁の在外研修制度(新進芸術家海外留学制度)※により、海外派遣された若手芸術家の成果発表の場として1998年より毎年開催され、今年で12回を数えることになりました。
 昨年より、会場を国立新美術館に移したことで、スケールアップした2回目の本展は、美術部門の様々なジャンルより12名の実力作家を選出し、現在日本の美術の一断面を切り取って紹介するものです。
 それぞれ作家の力が存分に発揮された12の展示空間は、来場者の目の前にそれぞれ全く異なる世界を出現させ、楽しませてくれることでしょう。

※在外研修制度(新進芸術家海外留学制度)とは
文化庁が、若手芸術家を海外に派遣し、その専門とする分野について研修する機会を提供するもので、1967年(昭和42年)から実施。
美術、音楽、舞踊、演劇、舞台美術等、及び映画、メディア芸術を対象に1年、2年、3年、特別派遣(80日)の各種がある。研修員は、大学などの教育機関や工房における研修、一流アーティストによる個人指導等さまざまな形態で高度で実践的な研修を行っている。

本展覧会の中から6作品をご紹介します。
画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

久保田 繁雄《 The Wave Space V 》
久保田 繁雄(繊維造形) 1947年 京都府に生まれる。1973年 京都市立芸術大学美術専攻科染織専攻修了。
《 The Wave Space V 》 2007年 テグス、織物、縫
1983年度/派遣国 アメリカ

・1970年代、染織を実用や装飾としてでなく、芸術における造形表現として積極的に捉えなおそうとするファイバーアートの動向が生まれました。その第一人者として活躍してきた作家です。鮮やかな色彩や染織特有の風合いが、平面にとどまらず空間にダイナミックに展開されています。

栗本 夏樹《 上杉の胴服 U 》
栗本 夏樹(漆造形)1961年 大阪府に生まれる。1987年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。
《 上杉の胴服 U 》
2006年 ボンネットに漆塗り、乾漆粉蒔絵、螺鈿による加飾  撮影:武田 照行
2000年度/派遣国 イギリス

・漆について抱いている先入観を、鮮やかに裏切ってくれる作品です。作品はしばしば大きなものとなり、自動車のボンネットを漆で再生したものであったりします。またアジアや中近東の習俗や信仰を連想させる文様は、漆表現における国を超えた拡がりを思い描かせてくれます。

吉田 暁子《 満散る 》
吉田 暁子(現代美術)1970年 岐阜県に生まれる。1996年 多摩美術大学大学院絵画研究科日本画専攻修了。
《 「満散る」 1枚と44枚の作品と壁により構成される 》

2002年
膠、岩料、微かに歪んだパネル、震え(てカットされ)たキャンパス地、時間を経た壁  撮影:上野 則宏
2004年度/派遣国 アメリカ

・和紙や岩絵具を用い、雲や草木や伝統的なモチーフを表現しています。しかしながらその作品はよくある日本画と全く異なっています。また、作品を並べて庭園のような空間を創り出したりします。伝統に基づいた表現であっても、別の新しい可能性があることをみせてくれる作家です。

礒ア 真理子《  Small red flowers  》
礒ア 真理子(彫刻)1964年 東京都に生まれる。1990年 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科クラフト専攻修了。1992年 ファエンツァ国立陶芸学校修了。(イタリア)
《 Small red flowers 》 2009年 テラコッタ、彩色  撮影:末正 真礼生
2005年度/派遣国 イタリア

・あざやかな色彩、丸みをおびたかたち、それらを観ていると楽しく暖かい気持ちになってきます。花や種子がモチーフになっているのでしょう。しかしそのような感情は、生命というものをどのような形と色、そして風合いで表すべきかという深い洞察の結果引き出されたものに他なりません。

三田村 光土里《  ROND−N ウサギのささやき  》 三田村 光土里(ビデオ&インスタレーション) 1964年 愛知県に生まれる。
《 ROND−N ウサギのささやき 》 2008年 ビデオ&インスタレーション
2005年度/派遣国 フィンランド

・日用品で作られたシャンデリア、身の回りのものを様々に組み合わせた空間、うさぎのぬいぐるみとの関わりを描いた映像、それらは何を語っているのでしょうか。そこには断片的であれ、筋が通ったものであれ物語と深い詩情が感じられ、私達の眼を惹きつけてやまないのです。

高野 浩子《 雲の依代  》
高野 浩子(彫刻) 1976年 島根県に生まれる。1998年 広島大学学校教育部卒業。2002年 筑波大学大学院芸術研究科美術専攻彫塑分野修了。
《 雲の依代 》
2004年 テラコッタ、石膏  撮影:森 花野子
2007年度/派遣国 イタリア・モンテネグロ

・作家は最近のシリーズを 「思い出を守る女神」 と呼んでいます。女神たちはしばしば本を手にしたり本棚の傍らにいたりします。眼を閉じて本の中身を思い描いているのでしょうか。それらの本は記憶のよすがであり、思い出の依代(よりしろ)であり、彼女が彼女であるための大切な根拠なのです。


イベント情報 (会場内において出品作家によるギャラリートークを開催します。)
・ギャラリートーク開催
2009年12月19日(土)  14:00〜 ・礒ア 真理子(彫刻) ・呉 亜沙(洋画) ・浅見 貴子(絵画) ・高野 浩子(彫刻)
2010年 1月10日(日)  14:00〜 ・久保田 繁雄(繊維造形) ・栗本 夏樹(漆造形) ・伊庭 靖子(絵画) ・吉田 暁子(現代美術)
2010年 1月17日(日)  14:00〜 ・吉仲 正直(絵画) ・三田村 光土里(ビデオ&インスタレーション) ・藤原 彩人(彫刻)


お問合せ:ハローダイヤル 03-5777-8600
主催:文化庁、国立新美術館
共催:読売新聞社

参考資料:Press Release・「DOMANI・明日展2009」他。


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